脳と痛みの関係とは?痛みが長引く原因と脳・神経系の働き
2026/10/19
脳と痛みの関係とは?痛みが長引く原因と脳・神経系の働き
「検査では大きな異常がないのに痛みが続いている」 「以前痛めた場所が、何度も痛くなる」 「ストレスが強いと、いつもより痛みを感じる」
このような経験はありませんか?
痛みというと、筋肉や関節など、体の組織に問題が起こることで生じるものと考えられがちです。しかし、痛みは組織の状態だけで決まるわけではありません。脳が体からの情報をどのように処理し、過去の経験や感情と結びつけるかということも、痛みの感じ方に深く関係しています。
特に、痛みが長期間続く慢性痛では、脳の複数の領域が関与しています。
|痛みは脳でつくられる?
体の組織に強い刺激や損傷が加わると、侵害受容器と呼ばれるセンサーが反応し、その情報が末梢神経から脊髄を経由して脳へ伝わります。
しかし、脳は単に情報を受け取っているだけではありません。感覚情報に加え、注意、感情、過去の経験、現在の状況などを統合し、痛みの強さや意味を判断しています。
そのため、同じような身体的刺激であっても、状況によって痛みの感じ方が変わることがあります。
例えば、スポーツ中は気づかなかったケガの痛みが、試合終了後に強くなることがあります。また、不安や緊張が強いと、普段より痛みを強く感じることもあります。
これは痛みが気のせいという意味ではありません。痛みは実際に生じている感覚であり、その処理には脳と神経系が深く関与しているのです。
① 扁桃体:痛みと恐怖・不安の関係
扁桃体(へんとうたい)は、恐怖や不安などの感情処理に関わる脳領域です。痛みに関する情報と感情的な反応を結びつける働きもあります。
例えば、以前に腰を痛めた経験がある人が、前かがみになったときに痛みを感じると、「また悪化するのではないか」という不安が生じることがあります。
その結果、腰を動かすことを避けたり、必要以上に体を緊張させたりする場合があります。
このような恐怖や回避行動が続くと、活動量の低下や身体機能の低下につながり、痛みを維持する要因になることがあります。
つまり、慢性痛では、痛みそのものだけでなく、痛みに対する恐怖や不安も重要な評価対象となります。
② 海馬:痛みが起きた状況や経験との結びつき
海馬(かいば)は、記憶の形成や、経験を状況・文脈と結びつける働きに重要な脳領域です。
例えば、過去に仕事中に強い腰痛を経験した人が、同じ職場や似た姿勢になったとき、以前の痛みを思い出すように不安や違和感を感じることがあります。
これは、過去の経験と現在の状況が結びつき、痛みに対する予測や警戒が強まる可能性があるためです。
ただし、海馬が痛みの記憶を単独で保存しているわけではありません。痛みに関する記憶には、扁桃体や大脳皮質など複数の領域が関与しています。
慢性痛では、こうした記憶や予測が現在の痛みの感じ方に影響することがあります。
③ 島皮質:体の状態を感じ取り、痛みを認識する
島皮質(とうひしつ)は、体内の状態を感じ取る働きや、痛みなどの感覚、感情の処理に関与する脳領域です。
心拍、呼吸、内臓の状態など、体の内部から得られる情報を統合する働きにも関係しています。
痛みが続いていると、体の小さな変化にも注意が向きやすくなり、違和感や不快感を強く意識することがあります。
島皮質は、このような身体感覚と感情・認知を統合するネットワークの一部として、痛みの経験に関わっています。
また、痛みの処理には、体性感覚野や前帯状皮質、前頭前野なども関与します。脳の一つの部位だけで痛みが決まるのではなく、複数の領域が連携して痛みの経験を形づくっているのです。
痛みの悪循環を断ち切るには?
慢性的な痛みでは、次のような悪循環が生じることがあります。
痛みが生じる ↓ 不安や恐怖が強まる ↓ 体を動かすことを避ける ↓ 筋力や関節機能、活動量が低下する ↓ 動作への不安や痛みが続く
もちろん、すべての慢性痛がこの仕組みで起こるわけではありません。組織の損傷や炎症などが継続している場合もあり、原因を適切に評価することが大切です。
そのうえで、慢性痛の改善には、痛みを一時的に軽減するだけでなく、安心して体を動かせる経験を積み重ねることも重要です。
状態に合わせた運動によって関節や筋肉からの感覚情報を得ることは、身体機能の回復や動作への自信につながります。また、段階的に活動を広げることは、痛みに対する過度な恐怖や回避を減らすためにも役立ちます。
旭トレーニングハウスが大切にしていること
慢性痛は、痛みのある場所だけを見ていても十分に理解できないことがあります。
旭トレーニングハウスでは、関節や筋肉の状態、動作の特徴などを確認しながら、手技と運動を組み合わせて痛みの改善を目指します。
大切なのは、無理に痛みを我慢して動かすことではありません。現在の状態に合った刺激を与え、少しずつ動ける範囲を広げていくことです。
「長年痛みが続いているから、もう仕方がない」と諦める必要はありません。
痛みには身体の状態だけでなく、脳や神経系、感情、過去の経験など、さまざまな要素が関係しています。
痛みを多角的に捉え、自分の体に合った方法で向き合うこと。それが、より良い身体機能を取り戻すための第一歩です。
※痛みが強い場合、進行する場合、しびれや筋力低下などを伴う場合は、医療機関での診察をお願いする場合もございます。
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旭トレーニングハウス
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